水曜日, 12月 06, 2006

転職の星

抜けるような青空の下、「ペール・ギュント組曲」の「オーゼの死」が静かに流れていた。「ウルトラマン」をはじめ、テレビドラマや映画の監督、オペラの演出と幅広く活躍した実相寺さんの葬儀には、幼い子供や女子高生、さらに指揮者の小澤征爾さんの姿もあった。実相寺さんが旅立つ「ウルトラの星」は、こんな明るい空でも信じる者には見えるという。
 焼香台の前に並べられたスナップ写真の中には、「ウルトラマン」に登場した怪獣ジャミラとのショットも。
 友人で演出家の飯島敏宏さんは「彼はオーソドックスを否定しながらも奇をてらわず、クラシックを極めた。それは創作活動だけでなく、多彩な趣味にも通じていた」。俳優の寺田農さんは「『生きてるなんて、しょせん死ぬまでの暇つぶし』が口癖だったあなたには、死ぬのも、生きて戻るまでの暇つぶしかも」と遺影に語りかけた。
 妻で女優の原知佐子さんは「“実相寺組”のイベントで、喪主という役を演じている気分」と漏らす。胃がんで入院中だったが、これほどの急逝は本人も予期していなかっただろう。来年も、オペラの演出や本の執筆などスケジュールでいっぱいだった。
 奇(く)しくもこの日、都内のホールで、最後の演出作となったハイドンのオペラ「月の世界」が上演された。客を楽しませようというコミカルな演出。ウルトラの星への旅の途上、きっと本人もこの舞台を楽しんでいったに違いない。享年69。(寺西肇)
(2006/12/03 Sankei.WEB)

 すごい方だったんですね。ご冥福をお祈りいたします。

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